Pythonを学びデータサイエンチストになりたい

データサイエンティストになりたい、と夢想しながら読書記録を書くブログです。

オードリータン「デジタルとAIの未来を語る」が、プログラマを目指す私に与えた魅力

年末年始ということで、気になっていた本を一冊買って読みました。

 

 

台湾のデジタル担当政務委員(閣僚)の自著なのですが、プログラマであり、シリコンバレーでの起業経験もある方です。マスクマップなどを通じ、コロナウイルスを水際で食い止め、極めて低い感染者数に抑えた実績への貢献者の1人として注目されています。

 

とはいえオードリー氏ひとりでこれだけのことを成し遂げた、というよりも、プログラムに関する造詣が深く、国民が公益のために貢献できる環境づくりを成し遂げた、というところが大きいのではないかと思います。台湾にはシビックハッカーという方がいて、政府のデータなどをもとにアプリやサービスなどを開発する市井のプログラマがいるのだとか。

 

さらにそういったシビックハッカーがより貢献するためには、政府と国民の間に信頼がなければならず、その信用を担保するため、政府として議論の内容や情報などをしっかり公開し、透明性を確保するようにしているとか。また国民そのものも、自分の知識などを公益に生かすことの重要性を認識しているのでしょう。

 

子供の頃からソクラテス式問答法(対話を重ね、相手の答えに含まれる矛盾を指摘することで相手に無知を自覚させることにより、真理の認識に導く方法)を通じてクリティカルシンキングを学び(自分の思考に対して「証拠に基づき論理的かつ偏りなく捉えるとともに、推論過程を意識的に吟味する反省的な思考)、クリエイティブシンキングも兼ね備えてるとオードリー氏は語る。

 

これを読み、やはり日本の現状、そして自分のプログラマとしての態度を改めて反省する一冊であった。日本における政治と国民の信頼関係の弱さ、そして国民による「公益」の意識の弱さも感じるものであった。まあ公益という意識は強制するものではないが。もう少し建設的な議論をできないものか、とは常々感じる2020年であった。

 

さらに私自身、データサイエンティストやプログラマになりたい、アプリを開発したいとぼやきながら、何もせぬまま1年が経ってしまった。恥ずべきばかりである。政治や国民の関係に問題を感じるならば、その解決や改善の一助となる一石を世に投げるべきであり、またそのような大きな問題でなくとも、何かしら課題に感じることに早々にアプリなりサービスなりも開発し、世に放っていくべきだと痛感した。

 

ということで来年こそは何かしら開発して、世に放って行きたいと感じています。

 

あとオードリー氏の本で私が感銘を受けた言葉は、「Humor over Rumor」。ユーモアは噂を超える。フェイクニュースも、ユーモアによって晴らすことができるということ。課題を解決するサービスを考えるにしても、こういった着眼点は忘れずにいたいと思います。

 

あと柄谷行人「世界史の構造」も読みたいと思いました。どんなのだろう。

世界史の構造 (岩波現代文庫)

世界史の構造 (岩波現代文庫)