読書について 本を読む本/読書について/読みの整理学
読んだ本
A 本を読む本 by J・モーティマー・アドラー
B 読書について 他二篇 by ショウペンハウエル
C 読みの整理学 by 外山滋比古
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概要
本ブログではテーマの異なる本を3冊読み、相互に検討することで批判的に読むことを目的とする。だが、本記事では同一のテーマ、即ち「読書と思索」を扱った本を紹介する。「読書」というテーマの間で、互いに比較する。
Aは、読書の作法と心得について述べている。読書を4つのレベル(初級レベル、点検レベル[系統立てて拾い読み]、分析読書[徹底的に分析して読む]、シントピカル読書)に分けて読書法を解説する。シントピカル読書とは、「一つの主題について何冊もの本を相互に関連付けて読む」ことを意味する。読書には積極性が必要であり、読んでいるあいだに質問し、「発見」を伴うべきと言う。
Bは、あらゆる時代、あらゆる民族が生んだ古典や良書を読むべし、ということを主張する。また良書を読むためには、悪書を読むべきではない。また「他人にものを考えてもらい、自分で考えることを辞める」結果となる多読は避けるべきだと言う。
Cは、読書に関するエッセイに近い。簡易な読み口であり、難解な書物(外国語も含む)への取り組み方も紹介している点が興味深い。未知の書物に比較して、既知に導かれて読む読み方はやさしく、ときに楽しい。
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所感
古典は有益でありながらも難解であることが多い。その苦痛をやわらげるため、簡易で既知の書物(Cにいうアルファー読み)の視点を借りながら、ベーター(未知)の読書を進めることが良かろう。
このため、日々の読書では、「読書に対して自分の頭で考える」ことを目的として、Aに言う「点検読書」レベルでありながら、シントピカル読書を行う。読みかけの本を中途にておき、他の本に移ることで、客観的に本の内容を考察する。分析読書まで行って、筆者との折り合いをつけることは自分にとって「他人にものを考えてもらう」状態になると懸念する。
他方、読む本の中には、古典や良書を含めるように心がける。難しくとも、既知の書物も組み合わせることで、少なくとも撤退を忌避する。一方で、Aに言う「どんな良い本にも、必ず欠点がある」という姿勢を忘れない。
またCでは、未知のものを繰り返し読むことが重要と主張する。読書百篇、意自ら通ずとも言うし、愛着もわく。他方、悪書を繰り返し読むことを避けるため、長期的に読書に取り組むということはせず、1週間という区切りを設け、3冊を繰り返し読むこととする。言うならば読書のポートフォリオである。どうしても繰り返し読みたいと思ったものだけ、再度読みなおす。
本来であれば全ての本に対し分析読書を行い、徹底して読書をするべきであろう。しかしながら、このような3冊並行読みは以下のメリットがある。
(1)本を客観的に考察できる
(2)本を変える際に気分転換となり、新鮮な気持ちで各本を読める
(3)読み返すべき良書を判別しやすい。悪書のみをつかむリスクが減る。
一冊の本に対し、他の本の主張を借りながらでも批判するのは楽しい。
頭の体操にもなる。
- 作者: J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン,外山滋比古,槇未知子
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