3冊並行読書のブログ

3冊並行読書の記録をするブログです。

就職面接の受け答えで伏線をはるということ

就職活動の面接における受け答えに関するサイトを見ると、似たようなところが多い。そのため、この記事では他にはない、面接の必殺奥義を3つ紹介したい。これで君もライバルに差をつけろ!

 

1 奥義① ネガティブな質問に対しては、ポジティブな設定で

御託はいらないと思う。事例をいくつか紹介する。

 

【例1】

面接官「あなたの短所は何でしょうか?」

あなた「優柔不断なところです。何かを決定するのが苦手でした。しかしながら代案をいくつか用意して、比較した上で考察すると、決断が素早くできるようになりました。このため、何かを決断する時には、常に代案を用意するようにしています。

※短所は長所といって「優柔不断と言われますが、逆に決断する際には慎重です」ですとインパクトが弱いです。単に言い換えただけですし。アピールできる言い方に変えましょう。

 

【例2】

面接官「弊社に対して、ここが問題だ、とか提言はありますか?」

あなた「問題を指摘するのは、ちょっと抵抗を感じます。ですので、私が御社に入ったら、何の問題を、どういう風に解決するか、という切り口で述べます。例えば広報が弱いという点については…」

※問題の指摘は誰でもできます。一歩踏み込んで、自分が会社に入ったら、どういう風に解決するか、まで言って「入った後の自分もイメージ」というクサビを打ち込め!

 

2 奥義②逆質問の時には、「おまけ」をつけて自分を売り込もう

同様に例を示す。

【例1】

面接官「何か質問はありますか?」

あなた「御社で活躍されている方が、どのような資格を持たれているか教えてください」

面接官「XXXで、XXXです。」

あなた「ありがとうございました。ちなみになぜこの質問をしたかと言うと、私は業務の効率性を高めるべく●●の資格を持っており、今後のスキルアップをどうするか考えていました。御社に入るまでに、●●の勉強をして準備をしたいと思います。」

※このように、単にありがとうで終わるのではなく、「なぜこの質問をしたのか」まで補足して、アピールの最後っ屁をかまそう!残り香だ!

 

3 奥義③ 面接の応答では伏線を意識しよう

例を述べる。

【例1】

※志望動機を「金融を通じて日本の中小企業振興に貢献できる」とか言ってたとする

面接官「10年後、どのようなキャリアを積んでいたいですか?」

あなた「●●と●●の部署を経験して、質の高い融資が行える●●部長になりたいと思います。冒頭に申し上げた通り、私の目標は中小企業の振興です。質の高い融資により、中小企業に大いに貢献できる人材になりたいと思います」

 

面接官「あなたが部下を持った場合、どのようなことを心がけますか?」

あなた「物事を決定して指示する時、解答ありきでトップダウンに指示をするのでなく、どういう対処方法があるかな?と一緒に代案を出していき、決定までのプロセスを共有します。この理由は2つあります。1つは部下に自分の問題だという認識が育つこと、もう1つは先ほど申し上げたとおり、私自身いくつかの代案の中から1つの選択肢を選ぶ方が得意だからです。」

 

このため、志望動機、自分の強み・弱み、10年後に会社でしておきたいこと、あたりはしっかり自分の中で作っておきましょう。それに対して、どのような質問でもそれらのどこかにリンクさせられないか、考えるようにしましょう!

 

以上です。

ミーティングミニッツ(議事録)を効率よく取るコツ(日本語でも英語でも)

私はこれまで幾多もの会議に出席して、しばしばミニッツを作成してきました。日本語で行われるものもあれば、英語で行われるものもありました。それを通じて、議事録を作る上で大切と思うコツを記しておきます。

 

 

1 議事録はその日のうちに関係者に共有する

議事録作成の技術も重要ですが、まずは「ミニッツは鮮度が命」と頭に叩き込んでください。自分が作るのはドラフトで、完璧なものを作る必要はないです。足りないところは、他の人が追記してくれるように振ったほうが効率も上がります。時間が経つにつれて、あなた自身も関係者も記憶が薄れ、フォローすらできなくなってしまう可能性があります。その日のうちにドラフトを関係者に送るのがベストですが、遅くとも次の日の午前中には関係者に共有するようにしましょう。

 

2 終わった時点で関係者に内容を確認する

 会議が終わった段階で、上司なり会議のキーパーソンに対して、「●●は〇〇ということですよね?」とか、「〇〇のところがちょっと理解できなかったのですが。。。」と聞きましょう。または印象よく聞くためには、「今日の会議のポイントは、〇〇と××と△△ですよね?」と聞きましょう。ここは的外れな質問をしていても、あまり怒られない気がします。

 

3 分からないところは「分かりませんでした」と書く

会議の内容によっては、他の人も分からない場合も多々あります。会議の流れ上、内容が明らかにならないまま次のトピックに移る場合もあります。その時は、(ここで〇〇について議論。すみません、内容がよくわかりませんでした)と一筆入れておけばよいでしょう。あまり重要でないことならば、落としてもいいと思います。

 

4 録音はしない

録音をすると「後で聞き直せばいいや」という意識ができて、その場で挽回できるチャンスを落としてしまいます。初めて議事録を作る時や、極めて重要な時は録音してもいいかもしれませんが、基本的にはやめましょう。1時間の会議の場合、巻き戻しをしながら聞いていたら、2~3時間はかかってしまいます。

 

5 事前に議事次第を確認し、話す内容を勉強する

予習をしましょう。内容についてよく理解していたら、その場で質問なりして確認することも可能となります。

 

6 余裕があれば途中でメモを見直す

言われたことを単に書き写していると、何を意味しているのかわからなくなることがあります。途中でいったん見直して、ここの部分は何を言っているのか?と後から見ても分かるようにしましょう。

会議で意見が言えるようになるコツ

私は会議で意見を言うのが苦手な人間です。

このため議論が強くなる系の本をいくつか読んで改善しようと試みましたが、どうも良い本が見つからず。ディベートだの、なーんか言ってることはわかるけど、現実で応用は難しい…というのが多いんですよね。

それでも同じように議論で意見を発するのが苦手な人もいるかと思いますので、最近考えているコツを、いかに列挙します。

 

1 議論の内容以外で発言をする

(1)記録係を買って出る

記録係は積極的に買って出ましょう。議事録係でも、ホワイトボードの書記でも。

私は意見を言うのは苦手ですが、記録はまあ得意なのでよくやっていますが、以下のようなメリットがあります。

【メリット1】役割があるので、意見を言わなくても許される。
【メリット2】議論の内容をさかのぼって確認できる。

これによって、発言を生むことができます。例として「先ほど曖昧になった、〇〇は結局〇〇ということですか」といった確認での発言など。

【メリット3】会議のマネジメント側での発言がしやすい

記録係は常にノートとかパソコンを見て、議事録の完成形を意識すべきです。そのうえで、「議論が脱線してきてますので、先に〇〇を決めませんか」といった発言ができます。

 

(2)事前に配布資料を読んで準備をする、微妙に皆が知らない知識を持つ

記録係にならず、いち出席者として会議に出るならば、事前の準備は必須です。特に事前に配られる資料のボリュームが大きいならば、確実にそれを読み、資料を読み込んでいない人の発言に対して、「資料では●●と書いてますよね」と反論することができます。

創造的なアイデアを発言できないならば、それを自覚し、「皆が共通して持つべき情報」の観点から、是正にかかるのも一つの手です。

 

(3)会議に関連する事項で、微妙に皆が知らない参考知識を発言する

以下のサイトで、紳助さんの話術について解説されていましたが、要はこういうことです。自分の雑学をひけらかして、誰も口をはさむことができないようにすることです。

www.sakagami3.com

つまり「マーケティングの戦略」について話しているときに、「マーケティングといえばA社では最近こういう企画が・・・」といった感じに意見を発するわけです。

普段から新書を読むなり、新聞を読んでいると、こういった発言ができるようになります。ですが、こういった発言は、「単に意見を発することを目的としたもの」であり、「会議そのものの生産性を高めるとは限らない」ということを、覚えておくとよいと思います。実際、この程度の発言しかしておらず、「え、結局その発言何か意味あった?」というようなパターンもよくあります。ただ、なんかこいつできるやつっぽいな、と思わせるには効果てきめんです。

 

2 議論の内容について発言をする

(1)他者の発言に対して賛同し、根拠の類似事例を補足する

おそらく意見を言うのが苦手な人の考えとして、「相手の意見に特段の反論はないから…」というのがあるのではないかと思います。その場合、「Aさんの意見ですが、●●という場合でも有効だと思いますので、よいのではないでしょうか」と根拠をプラスして発言すると、一応何か言ったことになりますし、発言もしやすいです。あまり価値はないですが。

(2)他者の主張に対して、根拠の事例を追加、修正する

まず他者の発言の中で、何かしらの主張を含む意見(どうせ長い)を見つけ、一言で言い換えます。「AはBすべきだ」と。次にこの意見に対して、根拠が何かを考えるわけです。「Cだから」「Dだから」と。いい大人は、大体自分の意見を言うときに何かしら根拠をいっています。「AはBすべきだ」と言い換えることのできないものは、参考情報とかクソみたいなものなので、無視しましょう。

そして。ここでそのロジックをよ~く考えるわけです。本当に「Cだから、Bすべき」ということになるかなあ?と。これは実際に文字に落として、図に書いてみるといいかもしれません。頭の中であれこれ考えていても、わからないことも多いですし、まず文字に落として客観視することで、出てくる意見もあります(これも記録係を進める理由の1つ)。ちなみに文字に落とすことを勧めているのは以下の本。

 

頭がよくなる思考術

頭がよくなる思考術

 

ロジックを考える際には、いろいろな視点で考えましょう。 まず、「あげられた根拠がロジックとして正しいか」「正しくない事例はないか」「現時点では正しくても、将来はどうか」「ほかの補足すべき根拠はないか」「仮にその主張を受け入れた場合、どのような効果がでると考えられるか」。などなど。

 

んで。その補足すべき修正すべきロジックだとか、効果がどうなるかとかの意見についての考察は、平素のインプットにかかってくる。平素から関連するテーマ(しなくてもいいけど)を、どれだけ調べてインプットしてストックしてるか。結局はこれによる。

 

以上、会議における発言のコツについて述べました。自分としては、会議での発言は、ディベートとかそういった本では「意見に対するロジック修正」ばかりが着目されます。しかしながら実際は、①単なる参考知識としての発言や、②会議をマネジメントする上での発言、もあるので、そちらで発言の機会をとらえるのも一つの手ではないかなーと思います。②についてはゴミ扱いされることも多いですが、②はそれなりに価値があります。

会議でスマートに見せる100の方法

会議でスマートに見せる100の方法

 

 

フランス語試験TCFとTEF両方を受けての比較

普段は読書を記録するブログですが、フランス語試験の比較について書いてみます。

 

1.TCFとTEFの比較

主催団体等もありますが、受験者にとって重要そうな相違点は以下のとおりです。

 

TCF

TEF

解答方式

4択

4択

(リスニングの一部は2択)

問題数

76問(699点満点)

読解:29問

聴解:29問

語彙・文法:18問

150問(900点満点)

読解:50問

聴解:60問

語彙・文法:40問

時間

全体で1時間25分

全体で2時間10分

受験料

12,000円

15,000円

採点

傾斜あり

1問正解すると1点とあるが、不明

受験頻度

年に5回前後(東京)

年に2~3回

申込手続・

〆切

試験センターへ直接出願

試験日の1カ月前あたり

(インターネット受験なら10日前)

銀行振込、郵送による申請

試験日の1カ月半前あたり

試験地

全国(札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・福岡)

東京・大阪・京都ではインターネット受験可能

東京のみ

 

個人的な所感でTCFとTEFの違いを述べると、受けやすいのはTCF、問題の量と種類が豊富なのがTEF、といったところでしょうか。どちらも選択問題ですが、TEFの方がややバラエティに富んでいる印象です。TEFには、文章の並び替えや聞き取りの正誤等があります。

 

2 どちらを受けるべきか

TEFは、カナダへの移民申請や、外務省JPOへの申請時など、指定されている場合があります。まずは目的を確認して、必要ならばTEFを受けましょう。ただし外務省JPOについては、2018年度の募集要項では「TEF, DELF等」と記述されているので、TCFが不可かどうかは要確認です。

単にフランス語の実力を測りたいならば、受けやすいTCFを受ければよいと思います。DELFに比べると、TCFとTEFは問題の傾向も似ています。インターネット受験も始まりましたし。最初はTCFをお勧めします。

他方、ヒアリングが苦手で、読解と文法が得意な人は、TEFを受けると良い…かもしれません。というのも、TEFはTCFよりもヒアリング問題の解答がしやすい。TEFでは10問ほど2択問題があります。またTCFよりも解答を絞りやすい問題が多いと思います

※例:留守録メッセージを聞いて、その特徴を4択(amical, familial, professionnel, publicitaire)から答える問題。amical・familialのどちらかか、professionnel・publicitaireのどちらかに絞りやすい。

 

実際、私もTCFではヒアリングの点数が伸びませんでしたが、TEFでは多少解答を類推することができ、そこそこ良い点数を取ることができました。

他方、読解については、TEFの方が難しい印象でした。文法・語彙はTEFの方がやや易しい印象です。TCFは諺とか知らない単語とか、手も足もでないものが何問かありました。

 

3 それぞれの対策法

まずはオンラインでサンプル問題が公開されていますので、それをやってみてください。

(1)オンライン

TCF

TCFはオンラインで公開されているものが多いので、こちらも一度試してみると良いでしょう。

http://www.ciep.fr/tcf-tout-public

http://apprendre.tv5monde.com/fr/apprendre-francais/accueil-tcf?tcf_lot_id=27

 

TEF

以下のサイトで問題が公開されています(pdf)。またTEF問題のアプリもあり、一部無料で解くことができ、課金によって試せる問題数が増えます。

https://www.centredelanguefrancaise.paris/outils-preparation-tef/

 

 

(2)書籍

オンラインだけでは心もとなかったので、私は参考書もかって準備しました。

TCF

私がやったのは以下の2冊です。2)の方がやや易しいですが、1)の方が本番のレベルに近いような気がしました。

1)Connaissance Francais

Connaissance Francais

Connaissance Francais

 

 

2)abc TCF - Conforme epreuve 2014

 

TEF

TEFはこれ一冊しか日本では販売されていないようです。日仏文化協会に注文することも可能。

TEF - 250 activités. Livre de l'élève: Test d'évaluation du français

TEF - 250 activités. Livre de l'élève: Test d'évaluation du français

 

 

4択なのである程度点数は出るのですが、伸び悩む試験です。毎日何かしらの形でフランス語に触れて、習慣として準備することが胆かと思います。

 

ファシリテーション技法/プロジェクトマネジメント実践講座/ダメな統計学

【読んだ本・論文】

A ファシリテーション技法 by 堀公俊

B 担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント実践講座」by 伊藤大輔

C ダメな統計学「悲惨なほど完全なる手引書」byアレックスラインハート

 

考えたこと

実践ファシリテーション技法-組織のパワーを引き出す30の智恵

実践ファシリテーション技法-組織のパワーを引き出す30の智恵

 

  ファシリテーションとは、先頭ではなく、側面から舵取りし、「人と人をつなぐ」ことで、人や組織が持つ潜在能力を引き出すことと説く。また現代は顧客とベンダーの役割の壁を取り払い、対等なパートナー同士として、問題の本質的なソリューションを一緒に考えていく取り組みと言う。これまでコンサルタントは提案型が主流であったが、顧客との対話の中で一緒に問題の本質を探しだし、共に解決策を考えていく協働型に比重が移りつつある。複数の専門家が集まり、各々が持つ高度な知識と経験を組み合わせて問題解決を進めていく。

 この考えはプロジェクトマネジメントの実践について概要を述べた上記の本に対し、補足的な考えを付加するものである。

  無論、プロジェクトマネジメントで必要であるコミュニケーションマネジメントやステークホルダー分析等の中に含まれることなのであろうが、ファシリテーションという概念をもっとプロジェクトマネジメントに組み込んでも良いと思う。顧客や関係者に対しては、まずは「協働することができないか?」と考えた上で接することが重要なのかもしれない。

 

ダメな統計学: 悲惨なほど完全なる手引書

ダメな統計学: 悲惨なほど完全なる手引書

 

 最後に紹介するこの本は、科学者の多くは統計学の能力を十分に身につけてしておらず、理解が不足したまま使っていると述べる。それ故、「データが吐くまで拷問する」という姿勢の元、発せられる数字が時に誤解や嘘を招くと言う。リテラシーをつける上で、「与えられたものを疑え」という姿勢を身につけることは正しい。しかしまずは学者等がどのような姿勢で分析を行い、その結果としてデータが生み出されるかを理解した上で、信憑性を疑うという姿勢を身につけることが大事なのだろう。 

 

 できることならば、学者が考える過程で見つけた選択肢を見せて欲しいものである。組織が異なる人々の対話では、「こうすうるのが当たり前だ」「これが常識だ」という思い込みをはずし、「考えられる限りの選択肢の中から自分たちで選んだ」という実感を持ってもらうことだという。だからこそ、当事者同志の話合いが重要なのである。

純粋性をそなえる知識を組み合わせたビジュアル化、それこそが行動の喚起を呼ぶ。

【目次】

 

【読んだ本・論文】

A ビジュアル・ミーティング by デビット・シベット

B 100年の難問はなぜ解けたのかー天才数学者の光と影 by春日真人

C ようこそ「多変量解析」クラブへ 何をどう計算するのか by 小野田博一

 

考えたこと

1.フレームでの整理は理解の深化、遊び心をつかったビジュアル化が行動の喚起

ビジュアル・ミーティング  予想外のアイデアと成果を生む「チーム会議」術

ビジュアル・ミーティング 予想外のアイデアと成果を生む「チーム会議」術

 

 この本は、情報の整理だけでなく、メタファー(何かに例える)が行動の喚起には必要と説く。ファシリテーターとして、グラフィック・ファシリテーターのススメについて書いてある。チーム会議向けの本だが、思考にも役立つものと思われる。

 ビジュアル化には以下の7つのモデルがある。個人的には(6)を訓練したい。

(1)ポスター(注目を集める)

(2)リスト(列挙する)

(3)グリッド(分類する)

(4)クラスター(構造をさがす)

(5)ダイアグラム(理解を深める)

(6)ドローイング(自分ごとへ結びつける)

(7)マンダラ(実行に移す)

 

また、以下のサイトでフレームワークの例を購入が可能とのこと。適宜活用する。

The Grove | The Leaders of Visual Planning, Team Performance, and Graphic Facilitation for over 30 Years.

 

2.不要な情報をそぎ落とし、純粋さを備えた構造こその価値

100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)

100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)

 

 超難問、ポワンカレ予想を解いた数学者を取材した話。ペレリマン博士の天才っぷりとその俗世を厭う姿勢がすがすがしい。 

彼は必要でないものを徹底的にそぎ落とし、自分を社会から遮断させて問題だけに集中しました。その純粋性が孤独を可能にし、同時にフィールズ賞を辞退させたのです。純粋性は大切です。何故なら数学、科学、芸術、なんにおいても堕落が生じれば消滅の途を辿ってしまうからです。数学は何よりも純粋性に依存する学問です。自己の内面が崩れては数学は出来ません。 

 なんというか、美しいものは純粋性を保ち、シンプルで、濁りがないのだろう。先の1.では雑多なものを組みあわせてビジュアル化し、何かに例えることを行動の喚起として重視した。が、ビジュアル化においては情報を「足す」のではなく、「引く」こと、または「絞る」ことで美しく、行動も喚起しやすいのだろう。

 といってもペレリマン博士はこの難問を解くのに、数学のみならず物理学といった分野での専門性を深化させ、それらを応用的に結びつけることで、解へと辿り着いたという。集まった情報を適当に組み合わせるのではなく、目標を定め、それに向かって不要なものをそぎ落とし、純粋な知識のみで構成する。それを心がけたい。

 

3.新たに学ぶ時は、関連本を30冊は読む。

 この本は多変量解析について、高校生の会話形式で説明する本である。本そのものは多変量解析という統計学の知識を、数学的な側面から解説してくれている。なかなか分かりやすかったのだが、以下の文章が印象的だった。

…何かを新たに学ぶ時の王道。わからない事柄にはこだわらず、容易に理解できることだけをどんどん多量に理解していくのが、学ぶ方法としてもっとも効率がよいのです。はじめはわからなかったことも、理解量が増えたあとでは自然にわかるようになっていることは多いですよ。

 ついつい多読をし、様々な知識を得て、それを組み合わせることで記憶の定着や創造性を求めようとしているこのブログ。何よりも純粋性をもって、じっくりと一つのトピックを掘り下げて理解していくことの重要性を説かれたようで、頭が下がる。

 とはいえ何事も同様に勉強することは難しいので、テーマをしぼることが重要であろう。横に広く調べるものと、深く深く掘り下げていくトピックの設定。3冊の本を選ぶ際に、そのバランスを大事にする。

 よって来週以降は、「ビジネス能力」と「統計・数学」を2本の柱として、「それ以外の簡単な何か」を加えて思考を深めていくこととしたい。

思考はフレームで外物化し、そして説明で内物化する(ファシリテーション・ベーシック)

【目次】

 

【読んだ本・論文】

A ファシリテーション・ベーシック by 堀公俊

B 原因を探る統計学 by 豊田秀樹・前田忠彦・柳井晴天

C Fukaya, T. (2013). Explanation generation, not explanation expectancy, improves metacomprehension accuracy. Metacognition and Learning, 8, 1-18.

 

考えたこと

1 読書や会議をする前はコンテンツだけでなく、プロセス(どう読み進め、考えるか)を重視する

 Aの「ファシリテーション・ベーシックス」によると、議論においては意見、アイデア、知識といったコンテンツだけでなく、「どんなやり方で議論すればいいのか?」「誰に話を振れば良いのか?」といった進め方(プロセス )も同様に重要である。コンテンツに集中すると、プロセスがおろそかになる。

 これは読書にも活用されるべきことであり、読み始める前に3冊の本を見て、どれだけの期間で、何を学び、どのように読み進めて、何を考えるか最初に考察するようにする。どのような内容か?だけでなく、どのように読み進めるか?を作戦だてる。

※読み進め方の例

(1)3冊から気になった文章だけピックアップして、後に統合させる。

(2)各本の要約だけ読み、その時点で仮説をたてて、3冊読み進める。等。

 

 また私にとっての読書の目的は、思考の結果、自分の活動に活かせる教訓を抽出すること。そのため、読書の途中に浮かんでくる主張や議論はなるべく紙に落とし、ひとつひとつの意見(とくに個別の事例)に対して、一段上の視点で解釈・統合し、「要はこういうことですね」とくくる(共通項の認識)。 

 

原因をさぐる統計学―共分散構造分析入門 (ブルーバックス)

原因をさぐる統計学―共分散構造分析入門 (ブルーバックス)

 

  ここでBの「原因を探る統計学」を読むと、それぞれに相関がある際には、①2つの要素の間に因果関係があるか、②2つの要素の背後に共通原因があるか、しっかり見極めることが重要という。よく言われるが、「環境汚染の度合」と「若年人口の増加」に相関があっても、相互に因果関係があるのではなく、背後に「都市化」という共通原因があるというやつだ。安直に行う一段上での解釈・統合は、事実から目をそらすことになると認識する。

 

2 思考はペンを持ってフレームに落とし込み(外視化)、最後に自分の言葉で説明する(内視化)

trq.hatenablog.com

 先の記事にも書いたが、まずは自分の思考を疑う。自分の考えは、いいかげんだと自覚する。このため、自分が思考する際や、会議においては、「要はこういうことを言いたいのですよね?」「これはつまり解決策ということですか?」と常に確認する癖をつけるように。このため、議事録係を任せられなくても自ら行う。同様に、自問自答をする際には考えたことを文字に落とす。

 で、文字に落とす際には、フレームワークを作り、そこにあてはめていくようにする。ここで使用するフレームワークには、Aの本でも色々と紹介されているが、ピンと来るものは少ない。自分でも活かせるフレームワークを生みだすようにする。

 またCの論文(Fukaya)によると、「どの程度理解できたか」という主観的な評定は、成績の良さと相関しない。これは統計学的にも証明されるんですね。他方、学習した内容の説明を求めることで、理解度評定の正確さは向上する。つまりうまく説明できればその内容を理解しており、うまく説明できなければ、理解に乏しいということになる。

 

3 読書・議論・ワークショップの前には、そのハウツー本を読みなおす。

 Aの本はファシリテーション技法にあふれており、役立つものだった。しかしながら実際に私が議論に参加する時には、内容のほとんどを忘れてしまっているだろう。このため、どんなに小さい会議でも参加する前には、別の本でも良いが、議論のハウツー本を読む。同様に、ワークショップの前には、ファシリテーションの本を改めて読む。知識をすぐに実践で活かせない限りは、定着はないものと自覚する。

 

 

その他(パーキング)

・思考や議論においては、パーキングの場所を作る。浮かんできた関係のない思考や意見は、一旦そこに記載する。

・自分の主張に対しても、修正・加筆といった小さい変化から反対意見等、議論を戦わせる。 例えばマインドマップをつくって考えを広げる。

・議論での意見については、特にオリジナルのアイデアが出せない場合は、他の人が言ったことに対して追加・修正する。並列的意見の表明。反対。出てきたアイデアは否定しない。ひたすら広げて、統合のタイミングで取捨選択する。