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目的志向で、相手を動かす工夫を。-学校の「当たり前」をやめた。/工藤勇一

麹町中の校長が行った改革、そしてその思想について述べた本。読みやすく、学ぶことも多かった。

 

 

この人は、麹町中学校の宿題、定期考査、固定担任制を全廃した。それぞれ「何のためにやるのか?」という目的をきちんと考えなおし、その目的を達成するためには不要と考え、全廃にいたったという。

 

例えば宿題の目的は、学校で習ったことの定着と学習習慣の確立、とするならば。学校の中ですべて理解するようにすべきだし、家で学習するにしても、「やらされる」のでなく「自律的に学べるようにする」ことの方が大切である。一言で宿題を全廃した、といっても、単に廃止したわけではないことが見て取れる。

 

個人的には、工藤校長がやったこと、よりも、その考え方に学ぶことが多かった。

 

・何よりも目的志向で考えるべき。学校教育の上位目標に照らしあわせ、最適な手段でないと判断したら、変えようという柔軟性をもつべき。

・大きな対立があっても、上位目的を見据えて対話すれば、必ず合意形成に至る。逆に対話しないまま状態を悪化させると、派閥が作られる。

・人はそもそも動かない。動かない人を動かせるようになってこそ。動かない人を動かすには戦略が必要。相手を知り、どの言葉を選んで、どのタイミングで発するか、様々な工夫が必要。

 

 

この本を読んで、私自身、工藤校長がこの年齢でここまで探究型能力を身に着けていることに感嘆した。今の教育では、探究する力というものが重要である。詰込み型で育った自分は、探究力を身に着けるのは難しいかと感じていたが、工藤校長を見るに、遅すぎることはないのだろう。自分もしっかりと、これからの社会で求められる能力を見据え、身に着けていきたい。

 

「目的思考」で学びが変わる?千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦

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