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フランス料理の学び方/辻静雄

私はスープをよく作る。

 

基本は野菜を切り、煮るだけである。そこにその日の気分によって、味噌を入れたり、ショウガを入れたり、トマトペーストを入れる。スープの具材から出た出汁と、調味料が混ざり合い、毎日違う味のスープができあがるのだ。

 

飽きる要素なんてない。

 

さてさて、そんなスープ。以下の本を読んでる時に、気になる一節があった。

フランス料理の学び方―特質と歴史 (中公文庫)

フランス料理の学び方―特質と歴史 (中公文庫)

 

 

普段スープに使うことが多いブイヨン・キューブ。この本によると、ブイヨン・キューブも250年前にフランスのコックが発明していたらしい。 

 

フランス人はそれまで鍋の中に肉も野菜も一緒に入れて煮て、一緒に食べていたのを、汁と中に入っているものとを別々に食べることを思いついた。汁も、もっと洗練された形で食べてみようと気を起こした。それによってブイヨンというものもできたのだとか。

 

ブイヨンと言えばすっかり人口調味料とか入った悪いイメージもあるけれども、この話を読むと、ブイヨンは本当はフランス料理のきちんとした一形態だったのだな、と思う。

 

その他、気になったところは以下の一節である。 

ヨーロッパとなると、これはもう純粋なフランス料理とか、イタリア料理というのは、ありえないといってもよい。…フランスにイタリアからコックさん付きのおこし入れがあったとか、また、フランスやドイツが他の国を侵略したとき兵隊がおいしい料理を自分の国に持って帰ったとか、いろんなことがあって、互いに影響しあっているんです。そうなると、フランス料理といっても、それだけ研究していてはダメで、イタリア料理もその他いろんなことも同時に勉強していかねばならないということです。 

 いや常々思っていたのよ。フランス料理の本とか、イタリア料理の本とか、いろんな本を見ても、「あれ?これはレシピがかぶってない?」ということ。その気持ちは、この一説によって氷解した。結局、ヨーロッパとか隣接した国というものは、食文化の交流が激しく、区別するのが難しいのだろう。

 

確かフランス料理も、ロシア料理から影響を受けたのではなかったかな。ギリシア料理やトルコ料理も、地中海を挟んでいるせいか似たようなものもよく見る。

 

これまで、自分の中でもやもやしていたものがちょっと解決した一冊でした。